腹が、静かに合図を出す
土曜日の16時。
昼でも夜でもない、腹の声だけがはっきりしている時間帯。
東京駅という巨大な迷宮の中で、俺は一人、歩いていた。
観光客のざわめきと、行き交う人の流れ。その中で、ふと立ち止まる。
……つけ麺、だな。今日は。
東京駅という胃袋
赤レンガの外観とは裏腹に、構内は相変わらずの情報過多。
弁当、寿司、洋食、甘い匂い。
どれも主張が強い。だが今の俺には、濃厚で、黙々と向き合える一杯が必要だった。
視線の先に、見覚えのある名前が浮かぶ。
松戸富田麺絆
行列は無し。時間が時間だけに、助かった。
暖簾をくぐる前から、漂ってくる魚介と豚骨の重たい香り。
……うん、間違ってない。
食券を握る
券売機の前で一瞬迷う。
だが答えは最初から決まっていた。
濃厚つけ麺。
余計な言葉はいらない。

異国のリズム
店員は外国人ばかり。
だが動きは無駄がなく、声も穏やか。
国籍は違えど、この一杯に向き合う真剣さは同じだ。
水を注がれ、席に腰を下ろす。

着丼|対峙する瞬間

来た。
丼から立ち上る湯気。
どろりとしたスープの表面には、魚粉の気配。
太く、艶やかな麺は、ただ黙ってこちらを見ている。
実食|心の中の独白

まずは麺だけ。
……小麦が強い。噛むほどに甘い。
次に、スープへくぐらせる。


……重い。だが、嫌じゃない。
豚骨のコク、魚介の輪郭。
全部が一斉に来るのに、どこか整っている。

チャーシューは箸で崩れるほど柔らかく、脂が甘い。
無言で、ただ啜る。
気づけば、周りの音が消えている。
スープ割|終盤の儀式

麺を食べ終え、スープ割。
濃厚だったスープが、少しだけ優しくなる。
……ああ、これでいい。
無理に語らなくていい満足感。
完食|静かな達成感

丼は空。
腹も、気持ちも、ちょうどいい。
東京駅の喧騒に戻る前に、少しだけ深呼吸する。
……また来よう。今度も一人で。
今回訪問した「松戸富田麺絆」の詳細
松戸富田麺絆へのアクセス
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2丁目7−2 KITTE丸の内 KITTE GRANCHE
| 営業時間 | 月・火・水・木・金 11:00 – 22:00 L.O. 料理21:30 土・日・祝日 11:00 – 21:00 L.O. 料理20:30 営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
| オープン日 | 2019年3月5日 |
| 公式アカウント | http://www.tomita-cocoro.jp/ |
| 駐車場 | 無 |


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