「湯屋敷 孝楽」のご紹介
日曜日の朝、少し早めに家を出た。
まだ街が完全に目を覚ましていない時間。
俺は今日、「湯屋敷 孝楽」に向かっている。

開店の十五分前。すでに入口には人の列。
それだけ、この場所を目指す人が多いということだ。
だが、ここがいいのは、開店前でも中で待てること。
外の風を避け、ほんのり温もりのある空気の中で、
静かに湯を待つ──この時間もまた、悪くない。

のれんをくぐると、木の香りがふわっと鼻をくすぐる。
湯に身を沈めた瞬間、肩から力がすっと抜けた。
いい湯だ。優しい熱が、身体の芯にまで届く。
そして、サウナ。
ここは本気だ。
温度計なんて見なくてもわかる。
肌を刺すような熱気。息を吸うたび、肺の奥まで火が入る。
だが、それがいい。
この熱、この我慢の先にしか、整いはない。
限界の手前で水風呂へ。
一気に冷気が全身を包み込む。
皮膚がキュッと引き締まり、
頭の中のモヤが、すべて溶けて流れていくようだ。
ふぅ… 生き返る。
風呂上がり。
俺には、やることがある。

キンキンに冷えたジョッキ。
泡が立ち上る黄金の液体を、喉へと流し込む。
ぷはぁ——。
この瞬間のために、俺は生きているのかもしれない。

もう一杯。今度は日本酒。
熱の残る身体に、ひやりとした酒が染み渡る。
この静けさ。誰も話さない。
ただ、皆が自分の世界で満たされている。


締めは天ざる。
白いそばが冷たく、つるりと喉を滑り落ちていく。
サクッと揚がった天ぷらは、軽やかに音を立てた。
油の香りが鼻に抜け、舌の上に旨味が残る。
うん、これでいい。
風呂、サウナ、酒、そしてそば。
どれも派手じゃない。
けれど、この順番で、確かに一日が整っていく。
——今日も、いい朝だった。
今回訪問した「湯屋敷 孝楽」の詳細
湯屋敷 孝楽へのアクセス
〒330-0073 埼玉県さいたま市浦和区元町2丁目18−12
営業時間 | 10:00~25:00 (最終受付24:00) 休館日:第3水曜日(2・8月は除く) 営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
公式アカウント | https://www.yuyashiki.com/ |
駐車場 | 有 |
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