「手賀沼温泉 満天の湯」のご紹介
日曜の18時ごろだっただろうか。
なんとなく休日の疲れが浮かび上がってきて、「湯、必要だな」と思って車を走らせた。
手賀沼温泉、満天の湯。
名前からして満たされそうで、なんだかズルい。
店前の駐車場に滑り込むと──満車。
まあ予想はしていた。
人気店の痛い洗礼だ。

案内に従って第二駐車場へ止めて、やや暗くなりかけた空の下を歩く。
この時点で、すでに小旅行の入り口みたいで悪くない。

入口の下駄箱は100円返却式。
この小さな“預ける儀式”が、昔の温泉旅館の玄関みたいで妙に胸が弾む。
脱衣所で服を脱いで、体が素っ裸になると同時に、心まで軽くなるような不思議な開放感。
タオル片手に一番奥の露天へ歩く。
夜風が肌を撫でてくる。
まずは露天風呂。
湯面から立ち上る湯気がゆらゆら揺れていて、その中にそっと沈む。
しょっぱさが肌にまとわりついてくるのがわかる。
まるで湯が「今日はここにいろ」と言っているようだ。
そして、今日の主役は熱湯。
熱いなんて生易しい言葉では済まない。
足先を入れた瞬間「ビリッ」と電気みたいに熱が走る。
それでも、しばらく耐えると、とつぜん体の奥がぽうっと開く感じがしてくる。
背骨まで熱が流れ込み、芯を温められるような安心感。
「ここから出たくない」という不思議な執着すら生まれる。
熱湯って、沼だ。
湯から上がり、髪を乾かしながら出口に向かう。
夜風を受けた瞬間、体の内側に灯っている熱がふっと浮かび上がるみたいだ。
ああ、湯に浸かったんだな、と妙に実感する。
日曜の夕方、混雑は確かにある。
けど、それは人気の証明でもある。
硫黄の香り、しょっぱい湯、堂々たる熱湯。
温泉っぽい要素が全部詰まっていた。
また来よう。
昼間の青空の下で、もう一度あの熱湯で沼に沈んでみたい。
……ただ、次は第一駐車場が空いていますように。
それが今日のささやかな願いだ。



今回訪問した「手賀沼温泉 満天の湯」の詳細
手賀沼温泉 満天の湯へのアクセス
〒277-0911 千葉県柏市箕輪新田68−1
| 営業時間 | 営業時間 9:00~24:00(最終受付:23:30) 休館日 毎月第3木曜日 営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
| 公式サイト | https://manntenn.com/ |
| 駐車場 | 有 |


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