「わたりや」のご紹介
伊香保の水沢うどん街を抜け、細い路地を入る。
そこにひっそりと佇む店、「わたりや」。
時間は13時30分を回っている。
昼のピークは過ぎたかと思ったが、店の外には数組の待ち客。
こんな場所で手打ちラーメンが人気とは、なかなか侮れない。
待つこと20分。ようやく店内へ。テーブル席に案内されると、店の雰囲気が心地よい。
家族経営ならではの温かみがある。メニューもシンプル。
今回は支那竹ラーメンを頼む。
注文を終えると、お茶と茶請けが出てきた。
こういう気遣いがうれしい。温かい湯呑みを両手で包み、一口すする。
ほっとする。
待つことしばし。ふっと鼻をくすぐる醤油の香り。
ラーメンがやってきた。
透き通った琥珀色のスープ。レンゲですくい、そっと口に含む。ああ、これだ。
醤油のコクと鶏ガラの旨みが広がる。
余計な尖りはなく、どこか懐かしい味。
麺を箸で持ち上げる。青竹で踏まれた手打ち麺は、見た目からして力強い。
それでいて、どこか柔らかい表情をしている。
すすってみる。もちもちとした弾力。舌触りは滑らかだ。
噛むほどに、小麦の香りが広がる。
チャーシューは厚みがあり、しっとりと柔らかい。噛めばジュワッと肉の旨みが滲み出る。
これもまた、いい。
そして、メンマ。支那竹ラーメンを頼んだ理由がこれだ。
一本一本がしっかりとした食感を持ちつつ、口の中で優しくほぐれる。
程よい甘みと塩気。これは好みだ。
気づけば夢中で箸を進めていた。シンプルな一杯だが、深く染みる。
最後の一口。レンゲをそっと置く。
食べ終えた満足感が、じんわりと体に広がる。
いい店を見つけた。また来よう。
今回訪問した「わたりや」の詳細
わたりやへのアクセス
〒377-0103 群馬県渋川市伊香保町水沢４３５−１５
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