川越で味噌ラーメンが食べたくなった日
日曜日の午前中。
まだ昼には少し早い時間なのに、頭の中はもうラーメンでいっぱいだった。
川越で味噌ラーメン。
そう考えたとき、自然と名前が浮かんだのが「麺屋誉」だった。
移転リニューアルオープンしたという話を聞いてから、ずっと気になっていた店。
新しくなった場所で、あの味はどうなっているのか。
確かめたい。いや、食べたい。
そう思ったら、もう車は川越市内へ向かっていた。
日曜日11時、すでに駐車場は満車
店に着いたのは日曜日の11時頃。
開店時間に合わせたつもりだったが、考えることはみんな同じらしい。
駐車場はすでに満車。
店の前には、ざっと10人ほどの待ち。
おお、そう来たか。
人気店のリニューアルオープン。
しかも日曜日。
そりゃあ、こうなる。
駐車場内で空き待ちをしながら、少しだけ気持ちを落ち着かせる。
車の中にいても、店のほうから人の流れが見える。
食べ終えて出てくる人の顔が、どこか満たされている。
ああいう顔を見てしまうと、待つ時間までうまそうに思えてくる。
20分ほどで、ようやく駐車できた。
車を停め、店の前へ向かう。
風は穏やか。
けれど、腹の中は静かではない。
新しくなった麺屋誉の外観
新しい店舗は、どこかすっきりとしていて入りやすい。
ラーメン店らしい力強さはありつつも、変に構えた感じはない。
店先に立つと、並んでいる人たちの空気が伝わってくる。
家族連れ、ひとり客、友人同士。
みんなそれぞれの腹具合を抱えて、静かに順番を待っている。
行列というのは不思議だ。
待たされているはずなのに、同じ目的を持った人たちの間に、妙な一体感が生まれる。
今日はみんな、誉のラーメンを食べに来た。
ただそれだけで、なんとなく信用できる。
券売機の前で迷う時間
店内に入ると、まずは券売機。
ラーメン店の券売機の前というのは、軽い勝負の場だ。

味噌。
辛味噌。
担々系も気になる。
うーん、どうする。
けれど、今日の気分は最初から決まっていた。
移転リニューアル後の一杯目。
ここはやっぱり、辛味噌らーめんでいきたい。
ボタンを押す。
食券が出てくる。
この小さな紙一枚で、これからの満足が約束されたような気になる。
席に案内され、腰を下ろす。
店内は忙しいが、慌ただしすぎない。
厨房からは湯気と香り。
味噌の甘い匂い、炒めたような香ばしさ、そして辛味の気配。
ああ、これは腹にくる。

卓上には調味料。
だが、まずは何も足さずにいきたい。
その店の一杯目は、できるだけそのまま受け止めたい。
辛味噌らーめん、着丼
しばらくして、辛味噌らーめんが目の前に置かれた。

おお。
いい顔をしている。
丼の中で、味噌のスープがどっしりと構えている。
表面には赤みを帯びた辛味。
湯気がゆらりと立ち上がり、その中に味噌の香りが混ざる。
見た目は力強い。
でも、荒っぽいだけじゃない。
野菜の色、具材の配置、スープの艶。
ちゃんと整っている。
これは、ただ辛いだけのラーメンじゃなさそうだ。
まずはスープから。

レンゲを沈める。
すくい上げると、味噌の色が濃い。
鼻に近づけると、香りが一段濃くなる。
ひと口。
うまい。
味噌のコクが最初に来る。
そのあとに、辛味がじんわり追いかけてくる。
辛さはある。
でも、舌を叩くだけの辛さじゃない。
味噌の甘み、深み、香ばしさ。
その奥に、辛味がきちんと腰を据えている。
ああ、これはいい辛味噌だ。
辛いものを食べているのに、どこか落ち着く。
味噌ラーメンの懐の深さというやつだろうか。
麺を持ち上げた瞬間、香りが立つ
次は麺。
箸を入れ、ゆっくり持ち上げる。
スープをまとった麺が、湯気と一緒に立ち上がる。

いい。
この瞬間が好きだ。
麺に絡んだ味噌の香り。
少し赤く染まった表面。
箸から伝わる弾力。
すすってみる。
スープが麺にしっかり絡む。
口に入れた瞬間、味噌の厚みが広がり、噛むたびに麺の存在感が出てくる。
辛味噌のスープに負けていない。
むしろ、麺があるからスープのうまさがはっきりする。
これは、箸が止まらないタイプだ。
ひと口、またひと口。
途中で具材を挟む。
野菜の食感がいい。
味噌の濃さの中で、ほどよく口を変えてくれる。
スープ、麺、具材。
それぞれが別々に主張しているようで、ちゃんと一杯の中にまとまっている。
こういうラーメンは強い。
食べ進めても、飽きが来ない。
辛さの奥にある味噌のうまさ
辛味噌らーめんという名前だから、もちろん辛さはある。
けれど、食べていて一番残るのは「辛い」ではなく「うまい」だった。
辛さが前に出すぎると、味が単調になることがある。
でも、この一杯は違う。
最初に味噌。
次に辛味。
そのあと、また味噌の余韻が戻ってくる。
口の中で、味が行ったり来たりする。
それが楽しい。
水を飲む。
またスープを飲む。
少し落ち着いた舌に、また味噌のコクが染みる。
ああ、だめだ。
これはレンゲが止まらない。
食べながら、ふと思う。
日曜日の午前中から並んで、駐車場の空きを待って、それでもここに来た人たちは正しい。
この一杯を食べれば、待った時間もちゃんと回収される。
むしろ、少し待ったことで腹が仕上がったのかもしれない。
一人で食べるラーメンの良さ
一人でラーメンを食べる時間は、いい。
誰かと話すわけでもない。
感想を言い合うわけでもない。
ただ、目の前の丼と向き合う。
スープを飲む。
麺をすする。
具材を噛む。
またスープに戻る。
それだけなのに、妙に満たされる。
店内の音もいい。
厨房の音。
食券を渡す声。
ラーメンをすする音。
席を立つ人の「ごちそうさまでした」。
その全部が、ラーメンをうまくする。
自分も食べ進めながら、心の中で何度も言っていた。
うまいな。
やっぱり来てよかったな。
最後の一口まで、しっかりうまい
気づけば、丼の中はだいぶ静かになっていた。
麺を食べ終え、具材もすくい、残ったスープを眺める。
味噌のスープは最後まで存在感がある。
全部飲むか。
少し残すか。
迷う。
でも、レンゲは自然と動いている。
ひと口。
またひと口。
最後のほうのスープは、最初より少し丸く感じる。
辛味に舌が慣れたのか、味噌の甘みがより前に出てくる。
ああ、終わってしまう。
うまいラーメンの最後は、いつも少し寂しい。
でも、その寂しさも含めて満足だ。

空になった丼を見る。
きれいに食べたな、と思う。
それは店への感謝でもあり、自分の腹への報告でもある。
ごちそうさまの一言
席を立ち、食器を整える。
店員さんに「ごちそうさまでした」と声をかける。
「ありがとうございました」
その短いやり取りが、妙に心地いい。
一度食べ終えたばかりなのに、もう次のことを考えている。
今度は別のメニューもいい。
でも、また辛味噌らーめんを頼んでしまう気もする。
川越で味噌ラーメンが食べたくなったら、麺屋誉。
移転リニューアルした新しい店でも、その一杯にはしっかりと満足があった。
日曜日の11時。
満車の駐車場。
10人ほどの行列。
20分待って、ようやくたどり着いた一杯。
待った。
食べた。
うまかった。
それで十分だ。
今回訪問した「麺屋誉」の詳細
麺屋誉へのアクセス
埼玉県川越市大字今福1704-2
| 営業時間 | 昼11:00〜14:30 夜18:00〜21:00ラストオーダー 定休日月曜日 材料なくなり次第早仕舞いあり 営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
| オープン日 | 2026年5月7日移転リニューアルオープン |
| 公式アカウント | https://x.com/IkeIkerin https://www.facebook.com/people/%E5%AD%9D%E9%83%8E%E6%B1%A0%E7%94%B0/100024732012223 |
| 駐車場 | あり。11台 |

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